思い出のオリーブオイル


今日は私とオリーブオイルとの出会いについてちょっと書いてみようと思います。

思い出って、歌とか写真とかいろいろなものと結びついているものですけど、
絶対食べ物も思い出との関係が深くあると思いませんか。

それとも、あの時食べたアレという思い出が多いのは私だけでしょうか...
そんなことないですよね!

さてさて、その昔、まだ、日本ではオリーブオイルがこんなに普及する前、
家では油と言えばサラダ油、ゴマ油、天ぷら油、らー油(おっと、ちょっとこれは種類が違うかも)ぐらいで、
オリーブオイルは、食卓ではなく、お母さんが化粧品としてバージンオイルのボトルを持っていたぐらいの頃の話。

当然、 オリーブオイルは食用という意識なんてなかったわけです。

当時、英語を勉強していた私は、知り合いのツテでカリフォルニアに1年ほど住んだことがあるのですが、
お世話になったアメリカ人の夫婦の家には、キッチンにパントリーという食料庫があり、
缶詰や、瓶詰、小麦粉、砂糖、ポテトチップス、クッキーなどなど完備されていて
「さすが、アメリカ!食べ物たちにも、ちゃんとお部屋があるのね!!」
と感動したのを覚えています。

「自分の家だと思ってね」というやさしい言葉どおり、
冷蔵庫の中のものや、「かっこいい」パントリーの中のものも
自由に食べたり飲んだりして、アメリカンFOODライフを満喫したものでした。
なつかしぃ~

とある日、
みんな留守で、私だけのときにお腹がすいてしまいました。
パントリーの中を物色してみると、ポップコーンを発見!
それは、紙袋に入れて電子レンジ でチーンとするタイプで、
日本にいたらサラダ油を使ったところですが、パントリーのどこを探してもそれらしきものはなく、
唯一見つけたのが瓶入りオリーブ オイルでした。
今思えば、きっと個性の結構あるタイプのEXVオイルだったようですが、
その当時はオリーブオイルについて何の知識もなかったし、
蓋を開けてみたら、なんか変わった香りがする感じ...
油なら、ま、いいかということで、オリーブオイルでポップコーンを作ってみたわけです。

そしたら!
「うぇ〜何このニオイ」という悲しい結果に...
そのときから数年、私はオリーブオイルは料理に使うものじゃないと思い込んでいました。

「ヘンなニオイの する油」というイメージが強く焼き付けられてしまったんですね。

ところが、その後いろいろな過程を経て仕事でイタリアの食材を扱うことになってみると、
オリーブオイルは非常にバラエティーに富んでいることや、
いろいろ な食材との相性があり、用途によってその個性を本当に楽しめることがわかってきました。

そしてもちろん「ヘンなニオイ」ではなく、「良い香り」であることも。
オリーブオイルとの出会いは決して良いものではありませんでしたが、
ポップコーンとの相性はさておき、
今はその「誤解」がすっかり解け、
我が家ではオ リーブオイルが食用オイルの主役。
毎日、朝・昼・晩と欠かさず大活躍しています。

そんな今になって、思い返すと、
あの時、「まず〜い」と思ったオリーブオイルにも不思議と愛着を感じるからおかしいですね。

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